エンゼルさん

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サリーさんの体験した怖い話だよー

エンゼルさん

エンゼルさん

「コックリさんは、怖いけど、エンゼルさんなら、大丈夫」

これは、私が高校生の頃の話だ。

「学校では、コックリさんは、しないように」

何かと、精神的に不安定かつ純粋な年頃にとって、メンタル的に支障があるかもしれない「遊び」であると、学校が禁止したことがある。

まあ、そんなこと、守られた試しはない。

しかし。

校則を破るのは、平気の平左だが、コックリさんに対する恐怖には、逆らえなかったようだ。

その当時、「エンゼルさん」という、コックリさん紛いの遊びが流行っていた。

一本のボールペンを二人で握りしめて、白い紙の真ん中にハートを描き、その真ん中に立てる。

「エンゼルさん、エンゼルさん、私たちの質問に答えてください」

なんのことはない。

コックリさんの、簡易バージョンだ。だが、子供と言うのは、愚かしく不思議だ。

エンゼルという響きが、狐狗狸よりも、善いモノというイメージがあったようだ。

もちろん、教師としてはコックリさんであろうが、

エンゼルさんであろうが、見つけ次第、止めさせていた。

しかし。

あれは、夏休み中の出校日のことだった。

同じクラスの女子生徒が、美術室に残っていた。

私とは別のクラスであったMが、ワクワクとした顔つきで言った。

「エンゼルさん、やろうよ」

私は、美術室で、美術教師から借りた、美術書を見ていたのだが、もやもやとする胸中を

「嫌な予感」というのであれば、まさに、そんな具合であった。

関わり合いたくない。

帰り支度をして、大きな美術書を脇に抱えた。

「帰るよ、じゃね」

2人の女子高生は、古いテーブルの上で、ボールペンを握りしめている。

もう一人は、面白そうにその様を見ていた。

「エンゼルさん、エンゼルさん」

しまった、始まった。

私は、早々にその場を離れようとした。

「エンゼルさん、エンゼルさん、来てください」

パタン!

目の前で、開いていた美術室のドアが閉まった。

エンゼルさんに夢中な女子高生たちは、私が閉めたのだと思っていたようだ。

いや、触れてもいない。

振り返ると、「エンゼルさん」に加わっていなかったMが、虚ろな目で、私をじっと見つめている。

M ?

Mは、ただじっとわたしを見つめていた。

「エンゼルさん、エンゼルさん、質問にお答えください」

私は、Mの異様な目線に囚われていた。

SとUは、くるくると走り始めたボールペンに夢中だ。

「すごい、すごい!」

「すごい、こわい!」

2人は、けらけらと笑っていた。

Mは、ただ、じっと私を見つめていた。

Mが透明になり、その中から、何モノかが、こちらを覗いているように思えた。

「エンゼルさん、エンゼルさん、もういいので、お帰り下さい」

SとUが、そう言った時だ。

“イ・ヤ・ダ”

Mの口が、音を出さずに答えた。

「エンゼルさん、エンゼルさん、お帰り下さい」

“イ・ヤ・ダ”

もう一度、Mの口は動いた。

「やだ、帰ってくれない!」

「どうしよう!」

SとUは、激しくぐるぐると回りつづけるボールペンに、ようやく、恐れを成し始めた。

“イ・ヤ・ダ”

“イ・ヤ・ダ”

SとUが泣きそうになりながら、ボールペンに振り回されている。

Mは、私を見つめたまま、何度も口を動かした。

“イ・ヤ・ダ”

“イ・ヤ・ダ”

そして、ついに、SとUは、力尽きた。

ボールペンが、二人の手を離れた途端、バキッ ! と折れた。

「きゃっ !」

2人は驚愕して、腰を抜かしていたが、私は、別のことでぞっとしていた。

Mの口は、たしかに、こう動いた。

“カ・エ・ラ・ナ・イ”

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