追いかけて来る

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今日はサリーさんがヘンテコなモノに追いかけられちゃったよー!!

追いかけて来る

追いかけて来る

怪物や怪獣、不気味な宇宙人、お化け、恐ろしげな人間や、嫌悪している奴など。

相手が何者かは様々だが、追いかけられる夢を見たことがない人はいないのではないか。

私ももちろん、ある。

ストレスが溜まっている時や、不安の象徴として、何か恐ろしいものから追い掛けられる夢を見るのだ。

だが、一度、ひどく奇妙なものに追い掛けられるバージョンがあった。

後で聞いた話で、事情は飲み込めたが、どうして、私が?と言う疑問はいまだに解決していない。

東京時代の話だが、門前仲町にあったディスカウント・ストアの近くに、「フルフル・ヤー」と言う喫茶店があった。

私が借りていたアパートの近くといのもあって、休日なのに珍しくバイトもなく、誰との約束もない、と言う、空虚な日には、その喫茶店を利用していた。

その日は、気怠くて、何もやる気が起こらない、実に怠惰な午前中だった。

私は、本を開いたのだが、いつの間にか、ウトウトと舟こぎをしていたようだ。

その時見た、転寝の夢が、誰かに話すと、呆れられるか、笑われるか、どちらかであろうと言う、奇妙奇天烈な内容だったのだ。

私は、どこか、薄暗い、ビルの裏手のような所に立っている。

どこだ、ここ

灰色のビルは古く、目の前の細い路地は、見た記憶もない。

すると。

は・・・?

5mほど先に、何かが浮いている?

白いひらひらした何かが。

なんだ?

その白いひらひらは、宙に浮いて、まるで蝶々が定位置でホバリングしているような動きをしていた。

気味が悪かったが、何が浮いているのか知りたくもある。

よく見てみようと、一歩踏み出そうとした時だ。

え・・・、ヤバい・・・。

白いひらひらが、こっちへ向かって来そうな、いや、来ている、確実に、私に向かって、ひらひらと。

いやだ、逃げなくては!

私は、その場から走って逃げたが、見覚えのある通りに出た。

あ、ここは!

いつも買い物に来るディスカウントストアの入り口が目の前だ。

わっ!

それどころではない。

白いひらひらが追い掛けて来る。

ヤバいヤバい!

私は、慌てて逃げ出したが、どうにも足が重い。

粘り気のある泥沼の中にいるかのようだ。

恐怖とイライラで身体がカッカしてきた。

足が思うように動かない、走れない。

冷や汗が吹き出す。

ダメだ、追いつかれるっ!!

私は、振り返って白い何かを見て驚いた。

“あれ・・・、あれ?”

白いひらひらが、私に正体を見ろ、と言わんばかりに、ペロンと広がった。

な・・・!?

言葉が出ない。白いひらひらの正体は、どう見ても、どこから見ても、男性用の、しかもダサダサのブリーフである。

混乱と共に錯綜する怒りと驚き。

私は、ダサいブリーフに怯えて逃げていたのか、それも、だ、宙をひらひらと蝶々のように飛ぶ、ダサいブリーフだ。

ムカムカが湧いてきたが、何にしろ、宙に浮いて追い掛けてくるなんてのは、気味が悪い。

だが、なんとなく、戦ったら勝てるような気がしてきた。

何かぶちのめす武器はないか、叩き付けられるような物は。

私は、キョロキョロと辺りを見回した。

これだ!

さっきまで何もなかったはずの足元に、ぎらっと鈍く光るご家庭用の包丁が落ちていた。

私は、包丁を拾おうとしたが、手が電撃を食らったかのようにびりっと痛んだ。

う・・・っ

包丁に血がべっとりとついている。

まるで、今、誰かを刺しました、と言うように。

拾えない、触りたくない、私は、やはり逃げることにした。

ダサいブリーフは、私が逃げようと決めたことをわかっているかのように、ひらひら、ひらひらとついてくる。

足は重く、体はバキバキに固い。

ああ、なんてみっともない有様なんだ、あんなだぼっとした、だっさいブリーフに追いかけられてるなんて。

追いつかれたら、どうなってしまうんだろう。

あのダサいブリーフが、がぼっと頭に、いやだ!!

そんなのものすごくいやだ!!

夢の中の私は、スローモーション映像のように逃げた。

もう、怖いとか、そう言う問題ではなく、人間としての尊厳というか、良識の問題であって、ダサいダボダボのブリーフに憑り依かれるなんて、死んでもイヤだ。

た、た、助けて・・・・!!

今しも、ダサだぼブリーフのひらひらが、私に追いつかんとした時だ。

「あ・・・」

夢の中なのか、現実なのか。

表から聞こえてくるサイレンの音で目が覚めた。

かららん、と喫茶店のドアが開いた。

「いやぁ、物騒だねぇ」

マスターが、渋い顔をして言った。

私は、寝ぼけた顔で、マスターを見た。

「いや、さ、そこのディスカウント・ショップでね。こないだ起こった事件とおんなじような事件がさ、今、ほら、そこで」

マスターは、喫茶店のドアを大きく開けた。

パトカーが何台も停車している。

ああ、あすこか。

あすこは、少し前に、下着姿で包丁を持つ通り魔殺人があった場所だ。

そうか、そうだったんだ。

新聞には掲載されなかったかもしれないが、通り魔殺人事件の時の手口と様相を真似る事件が、3件も続いていた。

未遂、傷害、なんとか、命は失われていないが、このままだと、確実に人死にが出そうだ。

だが、なぜ、私が追いかけられる羽目になったのか。

それは、今だに不明である。

夢の内容だけなら、お笑い種で済む。

しかし、実際には、そこは、恐ろしい場所なのかもしれない。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

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