欄間

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今日はサリーさんが子供時代に体験したお話だよー!!メッチャ田舎の古い家には、色々と怖い事があるんだよねぇ!!

【怖い話】欄間

欄間

小さい頃から、欄間を見上げる時、異様に緊張してしまう。

理由は、わかっている。

あれが現れ始めたのは、私が五歳の頃からだったと思う。

親戚の葬儀の日。

私は、大人たちばかりの座敷を出て、広々とした隣の座敷に行ってみた。

古い家屋の匂いがする、茶けたイメージの日本間であった。

隣の座敷から聞こえてくる話し声に、奇妙な声が混じっていることに気がついた。

おぃ・・・、おぃおぃ・・・。

私は、隣の座敷から呼ばれたのだと思い、戻ってみたが、みなそれぞれと話していて、私を呼んでいるようなそぶりはなかった。

おかしいな、と思いながら、もう一度、隣の広い日本間に戻った。

少し湿っているような古くなった畳に足を乗せると、ひんやりした。

陽の当たらない日本間は、薄暗さと湿気で、ことさらに、古屋の匂いが強くなっていた。

おぃ・・・、おぉぃ・・・

まただ。

私は、どこから聞こえてきているのかわからないまま、目線を上にあげた。

すると・・・。

日本間の真ん中を仕切る天井に、欄間がある。

お屋敷とはいえ、田舎のこと。

そんなに大した造りではなかった。

いやいや、そんなことではなく。

あれ・・・?

欄間の下から、白髪頭の男が、逆様に顔半分だけを出している。

私をじっと見ているようだ。

私は、子供であったので、その異様さや不気味さに気がついていなかった。

白髪頭の男の顔半分は、私が移動すると、それを目で追ってきた。

きょろり、きょろり、と、目玉が私を追いかけるのが見えた。

さすがに、怖くなってきたので、少しずつ、日本間から離れていこうとすると。

おぉい・・・おぃ・・・

顔半分の男は、目をかっと開いて、いましも怒鳴りそうな感じがした。

私は、慌ててその場を走り去った。

いったい、あれはなんだったのか。

それからというもの。

なぜか、私は、いろいろな人の葬儀の家で、欄間の下から、顔を半分だけ出した老若男女を見てしまうことになった。

理由はまったくわからないし、見たこともない顔半分だ。

おぉぃ・・・、おぃ・・・

声もまったく、聞き覚えはない。

泣くでもなく、笑うでもなく、怒るわけでもなく。

ただ、おぉい、おぃと呼びかけるような声を聞かせてくるだけだ。

当時、その所為で、葬式に行くのが大嫌いであった。

私1人の時だけではなく、子供達ばかりで集まっている座敷の欄間からも、あいつらは、下がって来た。

そして、私が7歳の時だ。

やはり、姻戚関係の誰かの葬儀で、他家の子供達と一緒に、広い座敷で待たされていた。

私は、また、出るだろうなと思って、欄間を見上げないようにしていた。

「あれ、なん?」

私の背後で声がした。

従姉妹の5歳になる娘さんが、口をほかんと開いたまま、天井を見上げている。

私は、思わず欄間を見た。

全身が凍りついた。

欄間の右端から左端まで、ずらりと顔半分が下がっていた。

私は、腰が抜けたようにぺたんと尻餅をつき、呆けたように欄間を見上げていたらしい。

らしい、というのが、私はそのまま、気を失ったのだ。

眼が覚めると、座布団を連ねた上に寝かされていた。

あれ、なん?と言った娘さんは、変なものを見た、と母親に訴えたが、本気にしてもらえず、逆に強く諌められてしまったらしく、泣きそうになっていた。

あの顔半分が、なんだったのかは、いまだに変わらない。ただ、その日を境に、私は見なくなった。

だれの葬儀に行っても、現れていた顔半分は、もう、私の目の前には出なくなったのだ。

そう、私の前には。

従姉妹の娘さんが、自閉症と診断され、通常の学校生活が無理になり、娘さんの母親が務めていた特別養護老人ホームに入所したと聞かされたのは、もうかれこれ、5~6年経ったあとであったか。

なんの気力もなく、下ばかり向いて、どこで覚えたのか、だれも知らないという、般若心経をずっとぶつぶつと唱え続けているという。

一体全体、あれはなんであったのだろうか。

どうして、私は、助かったのか。

わからないことだらけのまま、従姉妹の娘さんは、県外の施設に移されて行った。

お願いとお約束

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約束だよ!!

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