呪いの対価

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今日はサリーさんの体験した呪いは怖いよー ! というお話だよー

呪いの対価

呪いの対価

バイト先で仲良くなったU子は、かなりの占いマニアだった。

毎日のように、占いが掲載されている雑誌を片っ端から立ち読みしていた。

事あるごとに占いに金を消費する。

両方の腕には、肩凝りしそうなほどの石のブレスレットを装着。

奇妙な形のペンダントを2~3種類と、初対面の人間なら、やや、近寄り難くなりそうな風体であった。

実のところ、U子の悩みの内容はほぼ一貫していて、占いが好き、と言うわけではなかった。

「また、占い行くんだ」

「うん、ちょっと、心配なんだ」

その「ちょっと」は、ほぼ、毎日のことである。

U子は、世に言う倫ならぬ恋、つまり、不倫をしていた。

先の見えない恋愛に「不安」や「焦燥感」が絶えるはずもなく、連絡がない、約束がダメになった、電話に出てくれない、と家持ち、子持ち、女房もち相手なら、当たり前の事態にいちいち翻弄されていた。

不倫だから、ダメだと言うわけではない。不倫の結果、離婚後に結婚した人たちも多くいる。

ただ、U子の場合、心の安寧のためとは言え、相当な出費を重ねていたのが見るに絶えなかった。

U子の不倫も5年目に突入しようかという頃だったか。

バイト終わりの18:30、U子が控え室で声をかけてきた。

「ねぇ、コーヒー、行かない?」

私は、U子の顔色が、あまり優れない上に、どこか、よくないエネルギーが体内に充満しているような、そんな気がしたので、適当に断ろうと思っていのだが、U子は、妙に力強く熱っぽい手で私の手をぐっと握ってきた。

その上、不自然なほど、私に顔を近づけてきた。

思わず引き気味になって聞いた。

「なに、何かあったの?!」

「ねぇ、あなたには、話しときたいから、聞いてよ」

心が激しく拒絶した。

嫌だっ !

しかし、U子は、手を離してくれない、その上、もう片方の手で肩を掴まれた。

「お~い、おい、ちょっと、なに、なんなの!」

U子は、なかなか動こうとしい私を控え室に置いてある椅子に、無理やりに座らせた。

「ちょぉっと、なんだよ!」

私はムッとしが、そんな事はおかまいなしのようだ。

U子は、私の耳近くでつぶやいた。

「私、彼の奥さん、呪っちゃったの」

「はぁっ?!」

U子は、不倫男の”離婚したいのに妻が承諾しない”とか、 “家事が下手で、料理を作ってくれない”とか、“子供の世話もしない”とか、悪い妻を持ってしまったかわいそう男演出に、完璧なまでに引っかかっていた。

「呪ったって、なに?!」

日頃から通い詰めている占い師から、不倫相手が奥さんと離婚するように呪いを掛けてもらった、という。

「どうしよう、ほんとに呪いって効くのかな」

U子の表情は、呪いという行為を恐れながら、心なしか、笑みを含んでいるようにも見えた。

私は、U子に対して考え付く言葉が、あまり良いものではなかったので黙っていることにした。

どこの占い師か知らないが、そんな簡単に呪いなんて効くはずがない、と思っていたのだが。

それから一週間ほどして、U子は、バイトに来なくなった。

店長は、当初は怒っていたが、食い詰めアルバイターならいくらでもいる。

程なく、U子の代わりが入ってきた。

私も、何気にU子のことを忘れかかっていた。

半年ほど経ったか、渋谷の交差点でU子が向かい側から歩いてくるのを見た。

一人ではなかった。

嬉々としたU子がしっかりと腕を組んでいる男がいた。

あれ、U子・・・?

突き抜けたような笑顔で、しきりと隣の男に話しかけているようだ。

しかし、その男はまるで死人だった。

話し掛けてくるU子に、まるで無反応。

古ぼけて、しけた服装で、土気色した顔と、だらしなく開いた口の端から、涎が流れ落ちている。

目に生気はまったく見えないし、ぼさぼさした髪に力無い両腕、左足をやや引き摺るようにしていた。

よたり・・・よたり・・・と歩いていた。

U子の嬉しそうな風情が、殊更に、男の縁起の悪さを引き立てていた。

私は、なぜか、U子に気付かれたくない、と思った。

U子の視線を避けるようにして、人混みに紛れた。

通り過ぎて行くU子の上擦った声にぞっとした。

U子の呪いは、効いたのか。

不倫相手を廃人にして得た、あの笑顔。

呪いは、U子の正気まで、代償にしたのだろうか。

まあ、今となっては知る由もない。

ただ、U子の、あの上擦った笑い声が、時折、嫌になる程、思い出されることがある。

お願いとお約束

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約束だよ!!

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