縊鬼の家

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今日は、サリーさんがバイト先であったお話だよー!!

【怖い話】縊鬼の家

縊鬼の家

中国では、首を吊って死んだ者の霊は、必ず悪霊となるとされているらしい。


縊死があった家、館は、必ず呪われる。

まあ、いかような死に方であれ、この世に未練や恨みつらみがタラタラであれば、別に縊死なくても化けて出そうだ。

私のバイト仲間であったジュディさん。

その名前からして、金髪の青い目の、と思われた方は多いと思うが。

実は、ジュディ・リンという中国のお嬢さんだ。

黒髪で小柄小顔の可愛いお嬢さん。

私とは同年代であったせいか、片言の日本語でしょっちゅう話し掛けられていた。

たまに、うざったいこともあったが、文化の違いから困ったり悩んだりしている話を無視したりしたくなかった。

異国で1人では寂しかろう、と思ったせいであるが、実はジュディのご両親は実業家で、けっこうな金持ちであることがわかった。

日本での自宅は、豪勢そのものだ、と、バイト仲間から聞かされた。

なんだ、別に私じゃなくてもいいじゃん。

私は、その事実を知ってから、忙しさのせいにして、あまり会わなくなった。

実際、忙しかったのは嘘ではないし、休む時間を潰されてはかなわない。

「ごめんね、リンリン。私、昼も夜も働いてっからさ」

私だけが、ジュディ・リンのことをリンリンと呼んでいた。

少し寂しそうであったのが気にはなったが、そのうち、多忙に忘れさせられていた。

そんな状態で、かれこれ2ヶ月ほど経った。

私は、そろそろバイト変えよっかな、と与作的なことを考えていた頃だ。

ジュディ・リンから、いきなり電話がかかってきた。

それも、まだ夜も明けきれない早朝にだ。

私は、呆れて無視しようかとも思ったのだが、仲良くなってからこんな事をしたことはなかった。

「もしもし、リンリン、なんかあった?」

電話の向こうから、震え声が聞こえてきた。

「こめんなさい、こめん」

「いやいや、良いからさ、何かあったの?具合でも悪い?」

「あの、今から、行ってもいい?」

「はい・・・?!」

鳥が囀りまくるように喋りはするが、こんな迷惑をかけるような事はなかった。

「良いけどさ、まあ気をつけて」

交通機関は動いていない。

タクシーを拾うしかなかろう。

こっちに着くまで30分はかかりそうだ。

私は、つい、うとうととしてしまった。

そして、恐ろしい夢を見た。

どこか知らない部屋の中で、男が首を吊っている。

薄暗い部屋の真ん中辺りで、首を吊った男は、ゲタゲタと耳障りな笑い声を上げながら、激しく左右に揺れている。

その上、調子外れな歌を笑いながら歌っていた。

私は、ひどくうなされていたと思う。

歪んだ笑い顔。嗄れた歌声。ギシッギシッと軋む縄。

私は、全身がガチガチに強張り、ひどい金縛りに襲われていた。

悪夢の中から抜けようにも、なかなか、目覚めない。

首吊り男の目は両目をちぐはぐにグリグリと動かし、私を嘲っているかのように赤黒く腫れた舌をどろっと出して見せた。

私は、あまりの恐怖に弾け飛ぶような勢いで体を動かし、思いっきりベッドから落ちた。

いや、そんなことはどうでもいい。

玄関のベルが押された。

ピンポーン

悪夢のせいで、ぐたぐたになりながら、腰を上げようとした時だ。

行くな・・・!

「え?!」

誰かが物凄い力で、私の両肩を押さえつけてきた。

体が動かない。

行くな

ピンポーン・・・

また、ベルが鳴らされた。

許ないノックも聞こえてきた。

可愛そうに、と思った途端、耳元で怒鳴り声が爆発した。

行くなっ!!

なんと、私は気を失ってしまったらしい。

気が付いた時は、もう明るかった。

天井がぐるぐると回って、胸が悪くなったことを覚えている。

そして、思い出した。

リンリンッ!

私はドアを開いて、太陽の眩しさに目をやられた。

「つか、今何時だ」

時計を見ると、AM11:30

そう、思いっきり遅刻した。

もういいや、と開き直り、会社に電話をして皮肉タラタラの説教をくらい、夕方からのバイトに備えて寝た。

実は、バイトに行くのは怖かった。

ジュディ・リンは、来るだろうか。

いや、無事だろうか。

なんとなくの勘は当たった。

ジュディ・リンは、バイトを辞めた。

私が来る少し前に、両親に連れられて挨拶に来たという。

「あ~、まあ、バイト先なのにさ、律儀に挨拶に来られると、ちょっとね、ははは~」

店長は、複雑そうな笑い顔をした。

ブランドに身を包んだ両親が、皆さんで、とモロゾフのケーキを30個。

「うち、8人しかいねぇの、どうするよ、これ」

ちょっと気が抜けた。

忙しい、忙しい、とジュディ・リンが言っていた両親は、我が娘を迎えに来たのだ。

「でもなぁ、うん」

店長が、首を傾げた。

「なんかありましたか?」

「ああ、うん・・・。ジュディさぁ、なんかこう、首がな」

私は、ゾクッとした。

「首?」

「ああ、なんだかさぁ、首がこう、なんか、こきっとこう」

店長は、見たままを説明しようとしているらしいが難しいようであった。

「う~ん、なんだかなぁ、傾げてるんじゃなくって、こう、ぐきっと捻れてるような」

私は、あの悪夢をまざまざと思い出してしまった。

「具合でも悪いんだろな、ぼぉっとしててな、俺の事もわかんないみたいな?」

「そう、ですか」

もう二度と、リンリンには会えないのだろう。

いったい、ジュディ・リンに何が起こったのか。

あの時、私を押しとどめた何かは、私を守ろうとした、としか思いようがなかった。

中国では、首吊りで果てた者は、恐ろしい悪霊になる、そして、縊死者がでた家は呪われるのだ。

関わってはならない、と、何かが私を守ったのだろう。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

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