今行くから

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サリーさんの小学生時代のこわいお話だよ~

今行くから

今行くから

私が、小学校3年生の頃の話。

あの日。別になんということもなく。いつもの通り一人で帰っていたのだが。

田舎の一軒しかない万屋さんのまえを過ぎようかという時だった。

「今、行くから・・・今、行くから・・・今、行くから・・・」

声が聞こえてきた。

私は、立ち止まって、辺りを見回した。

薄暗い萬屋の店の奥を覗き込んでみると。

一人の男が、こちらに背を向けて、立っているのが見えた。

男は、黒っぽい灰色のよれよれのスーツを着ていた。

首をがっくりと落とし、柱に手を掛けている。

「今、行くから・・・今、行くから・・・今、行くから・・・」

低く、暗く、呟くような声は、妙にねっとりとしていた。

耳にじとじとと張り付きながら、這い込んで来るような。

私は、つい、じっと、男の燻んだ背中を見ていた。

「今、行くから・・・今、行くから・・・今・・・」

ふと、声が止んだ。

私は、瞬時に我に返った。

男が振り向こうとしていたからだ。

私は、脅かされた猫よろしく、飛ぶように突っ走って、その場から逃げた。

どうして、そこまで怯えたのかわからない。

息を荒くしながら、家に帰り着くと、母がばたばたと身支度をしている。

ぼうっと立っていたら、母が真顔で言った。

「今から、通夜の手伝い行くけ、留守番しとき」

その時は、何も言わずに頷いた。

父と母が忙しなく話していた。

母は、何かまずいものを味わったかのような顔つきで、言い放った。

「連れて行かんでもよかろうに」

当時は、知らなかったが、亡くなったのは、享年42歳という。

まだ若い男性で、なんということか、1日も置かず、奥さんが原因不明の突然死をしたという。

残された男の子は、私と同級生であった。

叔母さんの家に行くということで、転校して行ったのだが、彼は、母方の祖父と祖母から、始終言われ続けていたことがあったそうだ。

「お前の父親が、娘を引っ張り込んでから殺したんじゃ」

彼の父親は、自殺だったらしい。

彼の母親の両親は、結婚に反対し続けていたから、そんなことを言うのだろう、と思っていたと言う。

しかし、成人した彼から聞いたのは・・・。

「俺、見たんよね。あの日、母ちゃんが電話で、来んで ! 来んで ! て、泣きながら言いよったっちゃ。信じられんやろ」

いや、信じられる。

私も見たのだ。

それも、父親の方を。

彼には、言えなかったが、今でも、その方が良かったと思っている。

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