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今日はサリーさんが体験したゾッとするお話だよー

【怖い話】手

たくさんの人が騒めく場所で、こんなことがあった。

あれは、たしか、真夏の午後だった。

日曜日の渋谷。

ジリジリと暑い日だった。

アスファルトに黒々と影が張り付いている。

「あっつい・・・」

恨めしそうな声で、つい、呟いてしまう。

喫茶店から出たばかりだというのに、また、逃げ込みたくなる。

それでなくとも暑苦しいのに、日曜日の人熱が、不快感の後押しをした。

東京の街中なんて、涼しい日陰などない。

さっさと目的地へ着こうと、歩みを速めた時だ。

ドサッ!

うっ・・・。

急ぎ足の男の肩が、跳ね飛ばす勢いで、ぶつかって来た。

私は、イライラも露わに、男を睨みつけた。

男は、眼鏡をギラッと夏の陽に光らせ、私をジロリと見下した。

「この・・・」

怒鳴りそうになったが、男の肩に目が行って、思わず言葉が詰まった。

薄黄色い萎びた細い手が、減り込むようにしがみ付いている。

「ふん・・・!」

男は、不機嫌気に鼻を鳴らして、急ぎ足で立ち去った。

私は、振り返って、男の後ろ姿を見た。

「あ・・・」

痩せ細った小柄な女が、男の背中に張り付いていた。

私が声をのみこんだのは、男の背中にしがみ付きながら、女は、狂ったように笑っていたからだ。

所々、禿げている頭、薄汚れた生成り色の着物から伸びた、枯れ枝のような脚は、蜘蛛のそれのように、男の胴に、がっしりと巻き付いている。

その狂喜の笑い顔たるや。

真夏日の炎天下など、氷室と化す。

可笑しくてならぬ、というように、男の背中に強くしがみ付いたまま、笑い続けている。

なぜか、笑い声は、まったく聞こえず、無音であった。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

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