温泉街

スポンサーリンク
Youtube
温泉街

サリーさんが体験した怪談だよー!!

この話は、役所の職員から聞いた話だ。

ここいら辺りではない、と言っておこう。

あまり、気色の良い話ではないので、場所を特定されては、甚だ迷惑になるだろう。

今でこそ、その地は、有名な温泉地である。

しかし。

私は、そこで、異様な者たちを見た。

せっかく温泉に来たのだからと、まだ明けきらぬ早朝。

一番風呂を楽しもうと、一人布団を出た。

下駄を履いて、温泉浴衣を着て、町をうろつくなど、温泉地ならではである。

ひんやりとした朝の空気が、起き抜けの肺に滑り込んでくる。

「ふは~」

深呼吸が心地良い。

私のように、朝から温泉を楽しもうとしている人が、

ちらほらと歩いている。

前の日に、○○別館の湯殿がきれいでいいですよ、と聞かされていたので、一番風呂に選んだのだ。

さほど大きくもない、古びた看板に、○○荘別館、と書かれてある。

「ここか」

門をくぐって、温泉の入口を見た時だ。

心臓が、重たく、ずきんっ!とした。

妙な者たちがいた。

地面に這いつくばっている者、今しも倒れかかっている者、

べたりと地面に座り込んでいる者、顔を両手で伏せてすすり泣いているような者。

とにかく、異様な一団だった。

白装束で、顔を紙のような物で覆っている。

そして、みな、一様に。

背中が酷く、前に曲がっているのだ。

背骨が盛り上がり、

まるで、瘤でもできているかのように見えた。

じゃああぁぁ~~~んっ !

「ひっ !」

私は、度肝を抜かれた。

いきなり、どこかから、銅鑼のような大音響が響いた。

腰を抜かしそうなった。

すると。

異様過ぎる一団は、

歪な身体を引き摺り、引き摺りしながら、

温泉のある建物の中へ入って行った。

あたりまえだが、

私は、一番風呂を止めた。

あの異様な者たちと、一番風呂なんて、真っ平だ。

不快な気分で旅館に戻ると、どうにも吐き出したくなった。

旅館の男性従業員に、遭遇したことについて、つい、吐露した。

「なんだか、気色悪くてですね」

すると、その従業員は、ハタと手を止めた。

「これ、うちのじいさん役員から聞いたんですが」

この旅館は、彼の実家で、本人は、普段は役場の職員だという。

「明治か大正くらいの話らしいんですけどね。ここから遠くない山間の村で、変な病気が流行ったらしいんですよ」

「ふぅん」

「それが、記録によると、身体のあちこちの骨が曲がっちゃう症状があって、かなり、痛むんだとか。
で、こっちの温泉まで、やって来たらしいんですが、こっちとしては、温泉だけでもってるようなとこだったんで、悪い噂がたっちゃ困ると、村の入り口で追い返してたそうなんです。
そのうち、村の入口に、動けなくなった患者が何人も居座っちゃって、死んじゃう者もいたとか。
そこからは、もう。
崖下に投げ捨てたり、村外れに埋めちゃったりして」

「あの、その病気って、背骨とか、曲がっちゃったりするのかな」

「ああ、そうでしょうね。
とにかく、骨がぐにゃっとなっちゃうそうですから」

彼らは、死んでようやく、温泉に入ることができたわけだ。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました