じゃんけんの話

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サリーさんの体験した怖いお話だよー

じゃんけんの話

じゃんけんの話

私が、東京の江東区に住んでいた時の話。

与作をはじめ、露天商の知人が多くいた。

その日の日曜日も、 暇な店主たちと喋りながら過ごしていた。

「腹へったなぁ」

みんなが、村長と呼んでいた年嵩の男が言った。

すると、みんな思い出したように。

「ほんと、お腹すいた!」

「うん、腹へったよ!」

私は、さほど空腹ではなかったが、とりあえず、付き合うことにした。

そこに集まっていた私を入れて6人。

「よし、じゃんけんで負けた奴のおごりな!」

村長は、にやにやしながら拳を見せた。

みんな、一斉にゴネた。

「なぁんだよ、金、ねぇよ!」

「そうだ、そうだ!」

年若い露天商たちの中で、ふた回りほど年上の村長であったが、実は、みんなのふた回り以上も、稼ぎは少なかった。

「だいたい、村長が負けるってのもありなんだぜ!」

みんな、笑えない話で笑った。

「まあ、いいから、いいから! じゃんけんしようぜ!」

盛大にゴネリまくりながらも、まったくやる気のない、だらだらじゃんけんが始まった。

「あ~あ、じゃ~んけんっ!」

「ぽんっ!」

私は、吹き出しそうになった。

見事に、パーばかりで、1人だけが、グーで。

「や、やった!」

一人が声を上げた。

「勝った! やった!」

次々と声を上げた。

私も、パーを出したので、ホッとしていたのだが。

「俺も、勝った!」

「私も!」

え・・・?

村長も、私も、他の連中も、言葉を失って、顔を見合わせた。

あんなわかりやすい勝敗はない。

それなのに、誰が、グーを出したのか、わからない。

「誰だよ、グー出した奴」

「知らねぇよ、俺、パー出したし」

「私だって!」

誰かが、負けを認めたくないらしい、と、思いたいのは、みんな同じであったと思う。

しばし、沈黙が支配した。

「ねぇ・・・」

前髪ぱっつんヘアーの、通称、ややこちゃんは、複雑な面持ちで聞いた。

「赤いミサンガしてる人、いる?」

思わず、手首を見たが、誰も、赤いミサンガなんてつけていなかった。

「グー出した人の手首、赤いミサンガしてた」

ここまでくると、見間違えじゃねぇの!なんて言う者は、いなかった。

し~ん・・・、となった中、村長が、言った。

「よっしゃ、オレのおごりだ! みんな、行くべ!」

まあ、こう言うところが、村長と呼ばれる所以であろう。

みんな、どうにも煮え切らないまま、村長の後に従った。

日曜日の真昼間、一人だけ、グーを出した赤いミサンガの奴は、

お足が無かったようだ。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

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