きのこ

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今日はサリーさんと知人の体験したお話だよー

【怖い話】キノコ

きのこ

私の知人、Eに降りかかった話。

Eは、三度の飯より山登り。

交際6年の恋人より山登り。

と言う、クレイジー・クライマーだった。

正職に就かないで、バイトの日常。

金が貯まったら、貯まった分、全て山に注ぎ込む。

どこかで聞いたことがあるような男だが、与作とEとの大きな違いは、Eには、Kちゃんという、
健気の化身のような彼女がいたことだ。

明けても暮れても、山、山、山、の山男。

Eを陰ひなた無く支えていたのだ。

そんなEが、春先になってじっとしているわけがなく、不足分の旅費をKちゃんに出してもらって、
白山へ行ってしまったことがある。

私は、何かとKちゃんをEと同棲していたアパートから連れ出して、ダラダラと時間を潰したりした。

1人でじっと、いい加減すぎる恋人を待つなんて、見ていられなかったとも言える。

そして、2週間後。

Eが、帰って来たらしいと聞いた。

それは、まあ、いい。

しばらくは、社会人らしく働けよ、と思っていたが、Kちゃんから、電話がかかって来た。

「あのね、どうしていいかわからない!」

私は、またEのアホが、アホなことを言い出しているのではないかと思った。

「あのね、もう、山に行きたくないって」

「へ?!」

あのEが?

クレイジー・クライマーのEが ?

山に行きたくない?

私は、Kちゃんに呼ばれるまま、2人のアパートに行った。

行って驚いた。

「あんた・・・E ?」

ゲッソリと窶れて、土気色の顔をした茂吉が、ベッドの上に放り出された死体か何かのように、仰向けになっていた。

「なにも食べてくれないの!」

「は?!」

帰宅してから10日間。

水か、栄養ドリンクしか飲んでいないらしい。

「なんだ、それ、E、ちょっと、ぅわっ!」

Eが、いきなり、痩せさらばえた手で、私の腕を掴んだ。

妙に熱を帯びた嫌な熱さの手だった。

なんとも形容しがたい熱病患者の生命力を感じた。

私は、思わず骨張ってた手を乱暴に引き剥がした。

暗く落ち込んだ眼窟で目玉がぎょろりと動いた。

見れば、Kちゃんまで顔色が悪い。

「Kちゃん、Eから、なんか聞いてる?」

Kちゃんは、辿々しく頷いた。

これから、話すことは、 Kちゃんが、Eから聞いた話である。

つまり、又聞きであり、真実か否かの証明はできかねる。

Kちゃん談

Eは、白山の麓にある小さな町村に、しばらく逗留するつもりでいたらしい。

山歩きだけではなく、キャンプをしようと思い立って、自然に手を加えることなく、キャンプ可能な場所はないかと探していると・・・。

ポッカリと開けた、ちょうど良い広場があった。

やった、ラッキー!とその場所に入ろうとして驚いた。

なんだ、こりゃ !

真っ白いキノコが生えている。

雪のように白く、ふっくらとしていて、あちらこちらに、群生していた。

なんてキノコだろう

Eが、広場に足を踏み入れた時だ。

グシャリとキノコを踏んでしまった。

ぅえっ !

Eに踏まれて潰されたキノコは、キノコらしからぬ、ドロドロとした赤黒い液汁を放って潰れた。

慌ててジタバタするほど、キノコを踏み潰してしまう。

グシャ・・・。

グジュ・・・。

気がつけば、血の海のように成り果てていた。

こんな場所でテントなんて張れない。

キノコが生えていない場所はないか、と見回すと。

まだ、潰されていない、真っ白いキノコが、固まって群生している。

それが、まるで人型にに見えた。

あまつさえ、Eが踏み潰したキノコの赤い液汁がジワジワと人型の頭部から沁みてくる。

丁度、頭部を殴られて血まみれになった人間のように・・・。

気の所為だ、そんな風に見えるだけだ、と気を落ち着かせようとした。

だが、どう見ても、まるで、地下茎に豊かな栄養源があるかのように、ポッテリと肥え太ったキノコの生え方は、人型であった。

たとえ、それが、ただの見間違いであれ、

到底、長居する事はできない。と、その日は下山した。

Eは、下山したその日の夜から、異様な夢に魘されつづけた。

頭を割られた女が、真っ白いキノコが群生する中に、仰向けになっている。

ドロドロと赤黒い血が、バックリと割られた頭から流れ出している。

目は、白っぽい膜が張ったように濁っていた。

その場から走り去ろうとすると掠れた声がした。

痛い・・・キノコ・・・、取って・・・。

振り払うように走っても、湿っぽい掠れた声が囁く。

痛い・・・、キノコが、痛い・・・。

Eは、逃げるように東京に戻った。

「今でも、その夢、見るって」

私は、KちゃんとEを病院へ連れていくことにした。

何が原因であれ、このままだと、飢餓状態になる。

Eは、重度の摂食障害と睡眠障害であると診断された。

まあ、妥当だ。

Kちゃんは、せっせと病院に通っていた。

心成しか、Eが山三昧をしている時よりも、落ち着いているようにも見えた。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

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