おでん伝 – 番猫おでん

スポンサーリンク
Youtube

今晩は、皆大好き「おでん伝」だよー!!

【怖い話】番猫おでん

おでん伝 – 番猫おでん

覚えていただけだろうか。

優しすぎるEくんと、その相方の横綱メタボ猫、おでん。

性分からして人が好く、真面目で大の動物好きなEくんの災難は、たまに奇妙な招かれざる客を迎え入れてしまうという事だ。

今から聞いていただく話も、それだ。

「おでんの様子が変やねん」

「おでんが? どんな風に?」

Eくんが私のバイト先に会いに来た。

それも、おでんが変だ、という、Eくんにとっては火急の用事で。

「おでんが夜、寝ぇへんのや!」

「はぁ、それで?」

基本的に猫は気まぐれな動物であり、寝るも起きるも好きにするものだと思っていた私は、半分聞き流しかけていた。

「おでんは毎晩、わいと一緒に寝んねん!」

「ああ、うん」

「ここ最近、窓側に向かってじっと座ったままで、ちょいちょい、めっちゃ怒っとるみたいに唸るんや」

動物には、人間に見えない何かが見えているという。
さては、また何か連れて帰って来たか。

おでんは、義理堅い猫である。

これは、Eくんにとって、あまりいい事態ではないのだろう。

「なんかいそうなの?」

「おとろしいこと言えへんでくれ わいはそういうのはからっきしやねん!」

ああ、そうであった。

Eくんは、オカルトとホラーは大の苦手だった。

「まあ、おでんが頑張ってくれてるみたいだし」

「おでんになにかあったら、どないすんねん! おでんはわいの大事な相方やねん!」

いやいや、それは十分承知の助。

だが、それだから私にどうしろと?

Eくんは、おでんのこととなると必死だ。

実のところ、東京での私は、その道の話はあまりせずにいた。

そこそこのお祓いくらいならできはしたが、進んで披露するつもりはなかった。

部屋中を徹底的に掃き清めて掃除、
空気を入れ替えて乾燥を心掛け、
近くの神社からお札でもいただいて来るなど。

Eくんは、与作ほど強運でもなく、与作ほど罰当たりではない。

お祓いなどしなくてもなんとかなるのではないか、と甘く考えていた。

Eくんは早速、部屋の中の大掃除を開始。

水周りもピカピカ。

いきなり不用品やゴミをドタドタと出し始めた店子の様子を見に来た大家が感動するくらいに磨き上げたらしい。

大掃除の最中、おでんはバスルームに入れていたそうだ。

いつもならバスルームに入れられると、洗われる!と騒ぎ出すのだが、なぜか妙に大人しく待っていたという。

やれやれと大掃除が終わったのは、18:30ごろ。

Eくんは、狭い部屋ながら全力で磨き上げたせいか、クタクタになりコンビニでおにぎりを買って食べた後、眠り込んでしまった。

Eくんは、夢を見たという。

「夢の中でおでんが大騒ぎして怒っとるんや」

「へぇ」

「あ、しもた、おでんを風呂場に閉じ込めたままやったって思い出したんや」

「そりゃ、鳴くわ」

Eくんは、夢の中で、起きようと必死にもがいたらしい。

バスルームの磨りガラスに、おでんの影が右往左往しているのが見えた。

おでんを出してやらなければ、と散々うなされていることも意識していた。

「おでん、待っとれよ~!」

Eくんは、這うようにしてバスルームに近づこうとしていると、冷たく湿った青白い手がぺたり・・・、と腕に張り付いた。

「ひ・・・!」

生臭いような悪臭がする。
払い除けようにも身体が動かない。

こ!  これが金縛りゆうやつか!!

恐怖のあまり気が遠くなりかけた時だ。

ガシャアンッ !!

凄まじい音がして、Eくんは飛び起きた。

「おでんっ!」

バス・ルームのドアの磨りガラスがバリッと割れて、破片が散らばっている中、おでんが四つ脚を踏ん張りフーッフーッと荒い息をしながらEくんの背後に向かって激しく威嚇していた。

Eくんは、振り返りざまにメッタリと濡れたような黒髪の女が、憎々しげな顔をして消えたのを見てしまった。

「ぅわぁっ!」

腰が抜けて立てない有様のEくんに、おでんがもう大丈夫や! とでも言いたげにすり寄ってきたという。

おでんは、Eくんの危機を察知して磨りガラスを頭突きで破壊。

猫の額に傷をつけながらも、果敢にタチの悪い客に立ち向かったのだ。

「オノレはすごいやつや、やっぱり、おでんはわいのお守りさんや!」

Eくんは、ますます持って、おでんを大事にするようになったわけだ。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました