写真の男

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サリーさんの体験したお話だよー

写真の男


与作の目的無し旅行の大半は、 アジア方面である。

此れと言って、どこへ行きたいとか、何を見たいとか、そう言う計画性は皆無。

現地に着いたら、行き当たりばったりのノリ次第である。

「俺、着いたらまず、メシな」

与作は、80%の高確率で体調を壊すと言う、小汚い屋台で食事をする。

御多分に洩れず、面倒な事態になってしまう訳だが、与作曰く。

「ま、これも、アジア諸国巡りの醍醐味って言うか、ははは!」

不思議なことに、インドなどの衛生環境が、他国人にとって、恐ろしく厳しい国々を愛している人は、それらの国々からも愛されているのか、なかなか、食中りに襲われることは少ないらしい。

しかし。

与作は、まず、絶対に当たる。

売店で購入したミネラル・ウォーターにも当たったと言うツワモノだ。

「与作はさ、その国に愛されてないんじゃない?」

「そんなに褒めるなよ~、うへへへ」

褒めてねぇし。

なんて奴だ。

そんな与作が、スリランカに行った時の話だ。

「宝石堀でもしてきた?」

「いや、霊、掘ってきた」

「ふぅん、は?!」

与作は、スリランカでも有数の出る場所と言われる、

コレヒドール島は、マリンタ・トンネルに行ってきたらしい。

第二次世界大戦中、激戦区であったコレヒドール島。

その中で、確実に出る!と太鼓判の場所、

マリンタ・トンネルに。

呆れ返った顔をしていると、さも嬉しそうに言った。

「地元でも有名でさ、ぜってぇ出る!って」

「ほう」

与作は、ぼろぼろで汚い、使い古されたリュックを開けて、中に手を突っ込んだ。

「いやいやいや、今回は、ちょ~っと違うよ! 証拠がね、え~っと」

与作は、くしゃくしゃの紙袋を取り出した。

「これこれ、いひひ」

その紙袋の中から、大判の写真が何枚か出て来た。

私に差し出すと、笑いを堪えたどや顔をした。

「何、これが、心霊写真とかの?」

「まあまあ、見てくれよ!」

私は、ため息混じりに写真を見た。

どうせ、これが顔に見えます、みたいな、

曖昧この上ない・・・。

「え・・・・?」

オレンジ色のライト。

マリンタ・トンネルの深い闇を背に、与作がフザケ切った敬礼のポーズをとっている。

「与作、ねえ、これって」

与作は、ますますのどや顔。

「俺、1人で行ったんだぜ、カメラはオートな」

そんなはずはない。

与作に背中を向けてしゃがんでいる男が写っているのだ。

そして、それは。

「な、すげぇだろ!」

敬礼をする笑い顔の与作の隣に、無表情でしゃがみ込み、土を掘り返そうとしているように見える。

「俺、すげぇ! 俺の心霊写真、撮っちまったぜ!」

しゃがんでいる男は、まごうことなく与作であった。

自分の心霊写真を撮っただと?

なんて奴だ。

お願いとお約束

怪談朗読をされておられるYoutuberの方々。
サリーさんの怖い話を朗読していただけたら幸いです。
その時は、一言ください。そしてHPのリンクを貼ってください。
約束だよ!!

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