予備校怪談

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やっぱり鏡には何かあるよねぇ!!

【怖い話】予備校怪談

予備校怪談

東京の某予備校に通っていた知人、E子から聞いた話。

西校舎の3階に物置がわりに使用している元教室は、日当たりが悪く、常に室温が低くて湿っぽく冷んやりしている らしく、物置教室と呼ばれていると言う。

誰が言い出したかは不明だが、その物置教室の中に、奇妙な姿見が仕舞い込まれているという噂があった。

その姿見は、予備校のものにしては、見事なレリーフで飾られた古い大きな鏡らしい。

「私は見たことないんだけど、4回生のF君ってのがさ・・・」

予備校怪談の噂の内容はこうだ。

4回生という、親不孝者のF君は、志望大学に合格できないまま、ただ、予備校通いをしていたらしい。

ついにご両親がキレた。

今回、合格できなかったら、仕送り中止というお達しが来た。

F君は、親からの仕送りとバイトの給金で、浪人ライフを楽しんでいたのだが、仕送り中止は、困る。

とは言え、生来が怠け者であったらしいF君は、バイトを増やす気にもならず、かと言って、勉強する気にもならず。

ただ、イライラと日々が過ぎゆくのを見ないふりしていた。

そんなある日、F君は、予備校怪談、物置教室の鏡の話を浪人仲間から聞いた。

噂では、鏡には不思議な力があって、努力なしで志望校に合格した者たちがいる、と言う、なんとも予備校らしい話。

F君は、口では馬鹿にしていたらしいが、物置教室にふらっと入っていくF君を見た、と言う報告を最後に、F君は消えた。

寮にも、友人宅にもいない。浪人生の行方不明に、警察はあまり関心はない。

しかし、当時を知る者たちは、不気味な事件として記憶しているようだ。

物置教室にあった段ボール箱は、ぐしゃぐしゃに裂かれて床が見えなくなるほど散乱し、物を包んでいた紙やビニールも、散々に引き千切られていたという。

F君一人の仕業とは、到底思えないほどの破壊ぶりだったとか。

中を見るだけなら、別に破壊しなくてもいいはずだ。

破壊の限りを尽くされた辺り一面は、講師陣たちの背筋を寒くしたと言う。

「で? 鏡は、あったわけ?」

E子は、肩を竦めた。

「そこまで聞いてない」

「あ、そう」

だが、この話。

実は、ある怪談話の続きであったようだ。

私が、どういう縁か、その話を聞いてしまった。

「ああ、あの鏡の話な、知ってるよ」

イラストレーターのNさんは、例の予備校で絵画コースに通っていたらしいが、予備校内に、不気味な鏡があるという噂を聞いたことがあるという。

例の予備校が建つ前の話。

そこには、小洒落た小さなホテルが建っていたらしい。

だが、地上げ屋から騙されて廃業に追い込まれ、家具や装飾品が債務のカタに運び出された。

その中に、見事な古い鏡があったのだが、ホテルのオーナーは、その鏡だけは残しておいてほしい、と嘆願した。

だが、まあ、よく聞く話で、叶う筈もなく。

競売に出される為に、取り立て屋の倉庫に運び込まれた。

その翌日、血反吐を吐いて倒れながらも、左手の平を鏡の面に貼り付けるようにして、眼を開いたまま、事切れていたオーナーの自殺死体が発見された。

関係者は、しっかりと鍵を閉めていた倉庫に、どうやって入り込んだのかわからない、と困惑していたらしい。

一時は、鏡の所在は不明になっていたらしいが、なぜか、予備校の何処かにある、という噂が立ち、そのうち、物置教室の何処かにある、ということになっていた。

「で、その噂、どこまで本当?」

「ホテルが建ってたってのは本当だし、騙されて廃業に追い込まれたってのもほんとらしいね」

「で、鏡は?」

Nさんは、ふむ、と、腕を組んだ。

「俺は、そういうの信じないんだけどね。ただ・・・」

「ただ?」

Nさんは、納得がいない、というような、胡散臭がっているような薄笑いを浮かべた。

「うん、まあ、予備校じゃ、たまにあることだけどさ。物置教室で、2人自殺したってことはあったかな」

「あらら」

十分に、縁起が悪いし、怪談の温床になり得る。

「ん~、まあね~、噂だけどさ、物置教室に立派な鏡が置いてあるのを見たって、ね」

「え~、それって、その例の鏡なの?」

Nさんは、ケラケラと笑った。

「いやいや、わかんないよ、でもさ、見たって連中はいたな」

「へえぇ」

そして、そんなことは信じない、と言っていたNさんは、やや、複雑な顔つきになって続けた。

「それがね、見たって奴らの話で、ひとつ共通してることがあってね」

「なになに?」

「うん、大きな鏡らしいんだけど、何も映ってなかったって言うんだ」

物置教室は、物だらけであり、 そんな大きな鏡があれば、必ず、何か映り込んでいる筈だ。

「なぁんにも映ってなくてね、まるで周りに何にもないみたいにさ、まあ、噂だけどね、ははは」

単純に考えれば、騙されたホテルのオーナーの恩讐が鏡に憑り依いている、と、なるのだろう。

跡地に建てられた予備校にまで、その恨みつらみが残されていると。

F君は、未だ、行方不明中であり、E子からは、後日談で薄気味の悪い噂を聞いてしまった。

「それがさぁ、物置教室がね、開かずの教室になっちゃったの」

まあ、予備校にとっては、浪人生の気晴らしに校内の教室を使われるなんてたまったものではなかろう。

「F君のお化けが出るんだって!」

おいおい、行方不明ったって、まだ死んだわけではなかろうに。

「F君て、死んだの?」

「わかんないけど、F君があの教室からふらふらぁって出てくるの見たって」

「へぇ」

E子は、愉快そうに言った。

「白黒写真みたいに色のない人と、カラーの人が物置教室の中にたくさんいたんだって!
こわぁ~っ!」

怖いのは、お前だ。

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