物件探し-水滴

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今日は、サリーさんの本業のお話だよー!! 引っ越しの際には、お家を決める前にサリーさんに連絡してねー!!

【怖い話】物件探し・水滴

物件探し-水滴

私は、よくお客様と共に、物件を見に行く。

引越し先が問題のあった物件ではないか、とか家相がが悪くないかなど。

のっけから一緒に探すことになる場合と、気に入った物件を私に見てもらおうという場合。

そして。

「ここ! ここにしたの!! ねぇ、どう!」

という、手遅れの場合がある。

どうって、もう、契約済みなわけで。

今更、いや、出ますよ、とは言いづらいものだ。

なんのかんのと、けっきょく、縁のある部屋に行き着くのであろうが。

そんな中でも、妙に記憶に残る話を紹介しよう。

あれは、澄み渡る晴天が眩しい11月。

億ションを購入したいので、内覧に付いてきてほしいと依頼された。

慎ましやかな占い稼業では、到底、想像できない価格の部屋は、やたらと広くて明るかった。

大きな窓から太陽は燦々と降り注ぎ、内覧に来る客を持て成すコーヒーの香りと、ゆるいBGM。

不動産屋は、「よっしゃ、売れたっ!」という内心もあらわに上機嫌。

お客様は、悪くないなぁという表情で、部屋を眺めていた。

寒くなってきた季節には珍しい、よく晴れて暖かな正午近く。

何が悪かろうか、と上から目線で私を見てくる不動産屋。

ああ、確かにいい部屋だ。

造りも広さも明るさも上々だ。

しかし・・・。

ぽちょん・・・、ぽちょん・・・、ぴとん・・・

私は、この部屋に入ってから、ずっと聞こえている音に苛立っていた。

ぽちょ・・・、ぴとん・・・、ぽちょん・・・

どこかから、一滴ずつ、水が滴っているような音がする。

何事もないような顔で、バス・ルームやキッチン、トイレを見て回ったが、どこもカラカラで、水の音がしてきそうな気配はない。

ぴとん・・・、ぴとん・・・、ぽちょん・・・

部屋中を見回しながら、耳を澄ませたが、どこから聞こえてくるのかわからない。

「ねぇ、せんせぇ、ここ、どう?」

そういう端から、不動産屋は、もう、書類の準備をしているのが見えた。

「私、ここ、気に入っちゃった!」

はぁ、それはそれは。

“ぴちょん・・・・”

「あ~、あのですね」

私が話し始めようとすると、お客様の背後にいた不動産屋の顔が、嫌な真顔になった。

わずかに言いよどんでいる私に気がついたお客様は、あっさりと言った。

「やめるわ、ここ」

不動産屋は、一瞬、すごく恨めしそうな目で私を睨んだが、すぐに満面のサービススマイルで、お客様の説得にかかったが、お客様は、お金持ち様らしい素っ気なさで、その部屋をふった。

不動産屋のイライラもあらわな仏頂面もさながら、何が怖かったかって、そのお客様は、自分の知人にその部屋を勧めたという。

そして、目出度くご契約成立。

「いや、その、あの部屋でですね」

「うん、せんせぇから聞いたけど、なんだかな、あの部屋に住んだらどうなるのかなって思ったら、どうしても気になっちゃって、うふふ」

お金持ち様の考えることは、予想外なことがある。

で、それから1年半、経ったのだが、私は、とうにその部屋のことを忘れていたある日のこと。

お客様から連絡があり、鑑定の依頼を受けて、ご自宅にうかがった。

そして、鑑定のついでに、お客様は、それは愉快そうに教えてくれた。

「ほら、せんせぇ、あの部屋、覚えてる?」

「はい?」

本当に私は忘れていた

「ほら、せんせぇが、やめといたほうがいいって言った」

私の頭の中で、あの嫌な水音が聞こえた。

ぴちょん・・・

「ああ、はい、あの」

「そうそう、あの部屋! お友達が買っちゃったんだけど」

あなたが勧めたからだろう。

「それがねぇ、去年、バス・ルームで彼女のお義母様が溺れちゃったそうなの!」

「バス・ルームで?ですか?」

お客様は、実に愉快そうにカクカクと頷いた。

「そうそう、そうなの、バス・ルームで! 信じられなくない?!」

「ああ、はぁ、そう、ですね」

「それで、半年前なんだけどね、ご主人の肺に水が溜まっちゃって、緊急入院!」

その後も、何かと家屋内での水に関わる災難が続いたらしい。

今の所、死亡者は出していないようだが、 危うくそうなりかけたことは確かだ。

ぴちょん・・・ぴとん・・・

お客様が、笑いを口の中に押し込んでいる様と、頭の中に響く水の音が、奇妙にコラボしているようで、鳥肌がたった。

「はぁ~、せんせぇの言う通りにしてよかった!」

人聞きの悪いことこの上ない。

私は、誰かにその部屋を勧めろとは、言っていない。

この手の人間には、 厄介な霊も、手を出しづらいのかも知れない。

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